日本床矯正研究会 全国大会|呉市郷町の歯科クリニック|くろだ歯科クリニック

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日本床矯正研究会 全国大会

大阪で開催された 第四回 日本床矯正研究会全国大会にスタッフ4名が参加してきました

日時:2025年5月25日(日)10:00~16:00


場所:大阪 千里ライフサイエンスセンター5階ライフホール


テーマ ミャクミャクと広げよう床矯正のチカラ ~子ども達の口腔機能をはぐくむために~

大会長:畑崎 清孝(関西地区 評議員)
講師:舘村 卓先生、宮坂 乙美先生、藤井 秀紀先生

感想
この度は、大阪にて行われた日本床矯正研究会の全国大会に参加して参りました。
床矯正は、ただ装置を装着して歯並びを改善するだけでなく、口腔機能を育てることにより、身体の発育、健康の関わり方について理解を深めることができました。
今回の研修を今後に活かしていきたいです。(歯科衛生士:藤原)

今回の講演では、午前と午後に分かれ3名の講師の方からとても興味深く、素晴らしいお話を聞くことができました。
舘村先生のご講演では、母子手帳や模範的回答を示しているテキスト通り、マニュアル通りではなく、子どもの食べる機能の獲得は一人ひとりそれぞれのペースで成長していくので現在の段階を知り、それに応じた補助をすることで基本的な摂食嚥下機能の獲得ができるので、無理をして次の段階のことをさせる必要はないということを学びました。
宮坂先生のご講演では、良くも悪くも子どもは親の真似をして育ち、日々の生活の中での口腔機能を意識する必要性を歯科から発信する大切さを学びました。
最後に藤井先生からは“変わらぬものと変わっていくもの”というお話があり、この度、床矯正研究会という名前が変わるという発表がありました。
床矯正の方法の選択肢は変化していくが“成長が足りない原因を考える”これは今もこれからも変わらない原理原則でバイオロジカルな治療の重要性はこの先も変わらないと仰っていました。
会場の雰囲気も明るく楽しく、とても充実した一日となりました。
今回学んだことを乳幼児期のお子さんをもつ親御様や歯並び予防で来院されている方にアウトプットしていけるようにしたいと思います。(歯科衛生士:井ノ口)

今回、大阪会場にて床矯正研究会全国大会に参加させていただきました。
3名の先生方による講演とポスター床矯正症例発表がありました。
舘村先生による講演、小児の口腔機能障害につきましては、生後の哺乳期から離乳期、様々な時期の中で嚥下機能の悩み、例えば「何故乳児は横になったまま哺乳し嚥下できるのに、成人は横になったまま嚥下すると、誤嚥するリスクがあがるのか?」その答えは、「乳児と成人では咽頭の位置が違い、短い(高い)と誤嚥しにくい」ということ。
なので、介護の方のケアを行うときは必ずセミファーラ位からファーラ位、大体45度の角度もしくは、側臥位が必要になってきます。
仮にプラークの溜まった唾液を誤嚥するとその日の晩38.5°の高熱が出る場合があります。
そして大切なのは「食事の基本姿勢は床に足が着くこと」。
誤嚥防止姿勢「①うなずき(頭)②姿勢保持③足底接地④膝より足底を手前に」です。
その他、離乳食の固形物摂取可能な条件として「①頸が座っている②原子反射が消える」があげられ、初期中期後期と段階があります。
母子手帳に記載されている時期が全てその子に合ったスタート期とは限りません。
舌の運動作用が離乳食には大切なので、少しずつその機能を獲得していく必要があります。
宮坂先生ことおとみん先生の講演では「子育て口育てはまねっこ」子どもはおうちの方の真似っこをするというものでした。
最近では、「窒息事故」「正しいうがいができない」「寝返りができない」など様々なことを問題視されている中で、まずは「食経験から手先の感覚を養う、安全に食べることを学ぶ」「おうちの方がお手本を見せてあげて子どもにさせてあげる」「腹這い(タミータイム)からずり這いの移行の重要性」そして「赤ちゃんと触れ合うことの大切さ」。
赤ちゃんはお顔が一番敏感なので0~1カ月から「ラ・ラ・ラ ぞうきん」お歌遊びで「表情、触られた感覚、スキンシップ、コミュニケーションで親しみ共感」たくさんの感覚が養われます。
その他「ハンドリガード(手をじっと見つめる)フットリガード(足をじっと見つめる)など「視覚、手足の運動機能、手足の認識」の機能の獲得ができます。
低年齢から口腔機能のアプローチは「子育て、お口育て、お顔育ての第一歩」と仰っていました。
そして、最後 藤井先生は大きな目録として「変わらぬものと変わっていくもの」これを掲げて今も変わらない原則「子どもはプラモデルではない」「成長が足りない原因を考えましょう」 これは鈴木設矢先生の言葉です。
メカニカル(インビザライン、床矯)だけでなく、バイオロジカル(口腔機能、習癖の改善)に「その子本来の成長力を引き出していく」ことが大切と仰っていました。
BTF(バイオファンクション)(口腔習癖の改善)これが原因として、保険改正され口腔機能発達不全に対する指導が保険適用になりました。
藤井先生の医院では、保険外のBFT教室「歯育組」という子どもの成長過程を利用し悪習癖を改善していく教室もあり、様々な項目のトレーニングを行い管理栄養士による「食」に関する指導も行っているそうです。
今回3名の先生方の講演を聞き、当院でも取り扱っている「歯並び予防」や0歳児さんからできること、新しい情報も学べましたので今後、患者様にお伝えできればと思います。
今回セミナーに参加させていただき実りのある講演会でした。 (歯科衛生士:田中)

今回、第4回日本床矯正研究会全国大会に研修に行かせていただきました。
まず舘村先生の講演では、小児の口腔機能障害にどう対応するのかについて講演していただきました。
Q1母子手帳通りの時期に離乳食にしたけれどうまく食べてくれない Q2口の中に食べ物を持ったままになってなかなか飲み込まない等の子供さんの口腔機能の発達について不安や疑問を持たれる方は多いです。
Q1に対しては早生まれの子供さんでも母子手帳通りの時期に離乳できるのか、Q2に対しては未発達な咀嚼機能のレベルに対して食事の物性が高くないか、つまり母子手帳に合わせて離乳させたりまだ咀嚼機能レベルに達していない物性で食事をすることは困難ということです。
また、母子手帳に記載されている離乳食等の時期は早いため、母子手帳に書いてあるから始めてみようと離乳食を食べさせてもうまくは食べられない、必ずしも母子手帳と一致するとは限らないと教えていただきました。
次に宮坂先生の講演では子育て口育てはまねっこ~乳幼児から安全に食べるお口を育てる講演をしていただきました。
ニュースで取り上げられることが多くなった子供の窒息事故に関して“食べ物を小さく切る”“事故が起きた食材は食べさせないようにする”という方向に進んでいってしまっていますがこれは口腔機能がさらに育たなくなっていくため、歯科からできることを考えてみる必要があると教えていただきました。
子育てや口育てはまねっこであるため良くも悪くも子供は親の真似をして育ちます。
卵の殻向きなどを一緒にやってみるといいと先生はおっしゃっていました。
親のやり方を見て子供でも手先を器用に使って殻向きができるそうです。
そのときに子供が集中しているのなら声はかけずスルーして見守ることが大切であるとおっしゃっていました。
また、手掴みで食事をすることで食べ物と口の距離を覚え、温度を知る。
そして食べ物の硬さを知ることで力加減が分かり、一口量も覚えるためなんでも一口大にしないことが大事になります。
子供の成長は素晴らしいもので、大きめのブドウを渡しても自分で皮をきれいに向いて自分に合った量を口に入れて食べれるようになるそうです。
食事をすることで大事なのは食べたい、やりたいを導いて見守り支援することで離乳食はえさやりではないのだと教えていただきました。
最後に藤井先生は小児矯正を当たり前の文化にという講演をしてくださいました。
歯並びの治療には2種類あり、口腔機能の改善を行うバイオファンクショナルセラピー(BFT)、装置を用いて歯を動かすメカニカルな矯正治療があります。
床矯正を行うにあたって大切なことはなぜ歯列不正が起きたのかを考えること、原因を取り除かなければ治らないため、原因である口腔習癖の改善が重要だと教えていただきました。
今回の研修もとても勉強になることばかりでした。歯だけでなく口腔機能にも目を向け、向き合っていきたいと思います。(歯科衛生士:木村)